たにぐちまことさん たにぐちまことさん

Udemy受講者15万人超の人気講師、 たにぐちまこと氏に聞く。AI時代のウェブ制作とヘッドレスCMSの可能性

H2O space代表

たにぐち まこと氏

Udemy受講者15万人超の人気講師、 たにぐちまこと氏に聞く。AI時代のウェブ制作とヘッドレスCMSの可能性

H2O space代表

たにぐち まこと氏

新たな技術の登場によって、めまぐるしく変化するウェブ制作の現場。AIの台頭で、そのスピードは加速しています。ウェブ制作の現在と過去、そしてAI時代に求められるものは何なのかー。 CMS選定時のポイントから、AI機能「NILTO MCP」を搭載したNILTOへの期待まで、最前線を走るエンジニア、たにぐちまこと氏にお話を伺いました。

プロフィール

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たにぐち まこと氏

株式会社エイチツーオー・スペース代表取締役。
小学生からプログラミングに親しみ、ウェブ制作会社 H2O spaceを起業。主に ウェブ業界のクリエイター向けに、各種の講演や執筆を通じ、学習コンテンツを展開。
『マンガでマスター プログラミング教室(ポプラ社刊・監修)』や、『よくわかるPHPの教科書(マイナビ出版刊)』など執筆多数。
近年は、講座動画配信プラットフォームUdemyを通じた映像講義配信なども手掛ける。

第1章:ウェブ制作現場の現在と過去

——昨今のウェブ制作における、ニーズの変化を教えてください

たにぐち: 私は、ウェブ制作に携わってもう24年ほど経ちます。その中で制作の体制が大きく変わっていきました。
最初の頃は、一人でウェブサイトを作るのが主流でしたが、だんだん分業化していったのです。デザイン担当、フロントエンド担当、さらにサーバーサイド担当など、業務を分ける体制が十数年前から加速しました。

しかし、その体制だと、制作者はだんだんしんどくなってきました。フロントエンド技術が複雑化する中で、サーバーサイドの知識も必要になる。一人では全体を見切れませんし、分業するとコミュニケーションコストがかかる、といった課題が出てきたのです。

その結果、多くの現場で「ウェブはJavaScriptやTypeScriptで全て作りたい」というニーズが増えてきたように感じます。その際、WordPressといった従来のCMSがどうしても「荷が重い」と感じられるようになり、業界全体が別のソリューションを求める流れになった気がしますね。

——従来のCMSは、具体的にどういった点が現場で「荷が重い」と感じられていたのでしょうか

たにぐち: エンジニアの視点では、PHP(プログラミング言語)の学習コストが大きい点ですね。例えば、WordPressはPHPで構築されているのですが、PHPは歴史が長く、過去の複雑な仕様を引き継いでいるので、まずそれを覚えるのが大変です。さらに、WordPress自体も長年の積み重ねを経て複雑化していて、これも全て覚える必要があるのが「荷が重い」と感じる要因の一つです。
あと、JavaScriptとPHP、といった複数の言語を一人でやるとなると、やはり相当大変だと思います。

インタビュー中の撮影画像1

——近年の「生成AI」の登場は、ウェブ制作の現場にどんなインパクトを与えましたか

たにぐち: 生成AIの登場は、スマートフォンが初めて出てきたときに似ていますよね。あのとき、世論が二つに分かれました。一つは「こんな小さい画面でウェブなんか見られない」という人。もう一つは、「これは面白い」と飛びついた人です。AIによって、また業界の構造そのものが変わるような、劇的な変化が起こるのではないかと感じています。

また、2025年の半ばあたりから、生成AIでのプログラミングが確実に世界を変えて来ていると感じています。2024年までは、まだ生成AIを試したり、遊んだりする段階でした。しかし、2025年に入ってコード生成の精度が上がってきて「これはもう使えるんじゃないか?」という空気に変わってきましたね。2026年には、生成AIが本格的にビジネスで使われると思います。

第2章:CMS選定時のポイント

——ヘッドレスCMSに注目したきっかけを教えてください

たにぐち: ヘッドレスCMSに注目し始めたのは、やはり生成AIがきっかけです。生成AIでプログラムやサイト、アプリを作るにあたって、CMSがボトルネックとなり、今後の開発の妨げになることがあるからです。

生成AIを使うと、JavaScriptからPHPまで全て作ってくれます。そのため、一から生成AIに任せた方が良いのですが、CMSがあると、かえって生成AIによる制作の邪魔になってしまうことがあります。例えば、何か設定を変える際、WordPressの管理画面で設定を変えないと生成AIが動き出さない、などです。
逆に、WordPressなどを一切絡めず、いったん生成AIで全てサイトを作り、コンテンツの部分だけヘッドレスCMSから取得する方法は効率的です。コンテンツの構造を生成AIに教えれば、プログラムまで全てやってくれるので、ヘッドレスCMSはAIとの親和性が非常に高いと言えます。

インタビュー中の撮影画像2

——CMSを選ぶとき、どんなポイントを重視すべきでしょうか

たにぐち: 現在CMSには、大きく分けて、WordPress、ヘッドレスCMS、そしてノーコード系の3つの種類があります。今後サイトを作りたいというお客さまの場合は、AI活用の観点では、ヘッドレスCMSの1択になるでしょう。

CMS比較表(WordPress/ヘッドレスCMS/ノーコード系)

ノーコード系も非常に人気がありますが、使い方には注意が必要です。テンプレートがきれいで非常に使い勝手が良いのですが、運用を続けていくと「ここをちょっと変えたい」「こういうページがほしい」というニーズが出てきます。そのときに、テンプレートから外れると一気に改修が難しくなってしまうのです。そのため、機能要件をテンプレートに当てはめられるか、そのツールの中でできることで収まるか、がポイントになります。「将来、ビジネスが成長して拡張や変更が必要になったとき、この運用で対応しきれますか?」というのは必ず確認しています。

多少初期コストがかかっても、その後の運用コストを考えると結果的に費用が安くなる場合があるので、その点を交えて選定してほしいですね。一時的なキャンペーンサイトであればノーコードで良いと思いますが、長く運用したい、ビジネスの成長に合わせて拡張していきたいと考えるのであれば、ヘッドレスCMSの導入を考えた方が良いでしょう。

特に、不動産情報や書籍情報など、構造化されているデータを扱うサイトは、ヘッドレスCMSが向いています。

——CMSの変更を考えるタイミングは、どのようなときでしょうか

たにぐち: ウェブサイトをフルリニューアルするときはもちろんですが、制作会社との契約期間が終了し引き継ぎが発生する、といったタイミングでもCMSを再選定すると思います。

またWordPressの話に戻るのですが、WordPressは属人性が高いという課題があります。前任の担当者の知識があればあるほど、自分でさまざまな設定をしてしまう。社内にマニュアルがないまま担当者がいなくなって、後任の担当者はどうしていいか分からなくなる、というご相談をよく受けます。
その場合だと、表側はそのままにして、裏側の仕組みだけリニューアルすることがあるので、これもCMSを変更するタイミングだと思います。

第3章:NILTOへの期待

——NILTOに興味を持ったきっかけは何でしたか

たにぐち: 2025年になって生成AIと相性の良いヘッドレスCMSを探している中で、たまたまNILTOに辿り着いたのですが、運営会社の「フェンリル」という名前に反応しました。実は私、フェンリルが作ったブラウザ「Sleipnir(スレイプニル)」を、かつて愛用していて。Sleipnirのデザインが非常にきれいで好きだったこともあり「あのフェンリルさんがこんな製品を作った」ということで、Xでポストしました。

——NILTOを実際に触ってみていかがですか

たにぐち: 最初に感じたのは、さすがフェンリルさん、といったデザインのきれいさです。私はゴテゴテとした感じや、海外のようなデザインがあまり好きではないのですが、NILTOのデザインは、日本人にも親しみやすく、非常にシンプルで洗練されています。これが、自分のデザイン感覚と合っていると感じました。

NILTOのUI

また、海外製のCMSだと、言語の壁がお客さまの運用負荷になることがあります。対してNILTOは、日本企業が開発・運用しているので、インターフェースやサポート体制が国内のニーズに合っていて、安心感がありました。

CMSとしての基本的な機能も、他社製のヘッドレスCMSに引けを取りませんし、この価格帯で提供されているのは大きな魅力です。私としては、お世辞抜きで第一候補に上がります。

あと、フレキシブルテキスト(FT)※1という機能もおもしろいです。リッチテキストをはじめとする機能を制限し、余計なものを触らせないことで厳格なコンテンツ管理ができる、というのがサイト運営者に対して親切だと感じます。これは、おそらく他にはない、ユニークな機能だと思います。

※1 フレキシブルテキストとは
柔軟なデザインと快適な書き心地を両立した、従来のリッチテキストエディタに代わるテキストフィールド。
あらかじめ定義した書式をエディターUIで簡単に呼び出すことが可能。

インタビュー中の撮影画像3

——NILTOはどんな組織に適していますか

たにぐち: ヘッドレスCMSは、導入の際に初期コストがかかるため、すぐにサイトを作りたいときにはあまり適しません。
NILTOが適しているのは、「ウェブサイトをこれからじっくり育てたい」と思っている方や、「企業の成長に合わせてサイトも進化させていきたい」と考える組織です。また、アプリ開発やウェブアプリで、お知らせやコンテンツの部分をCMSで管理したい、というケースにもNILTOが向いていると思います。

第4章:NILTO MCPがもたらす、効率化の未来

——NILTOには、「NILTO MCP」というAIの機能があります。この機能を活用することで、具体的にどのようなメリットを得られると思いますか

たにぐち:MCPは、簡単にいうと「AIでコンテンツ管理が格段に便利になる」機能ですよね。この機能には大きな将来性を感じています。
今は、AIにプロンプトを入力してコンテンツを制作し、管理画面に入力する、といった段階かと思いますが、ゆくゆくはさらなる効率化が可能です。

例えば、LINEとMCPがつながれば、LINEで「こういう更新をしておいて」と送るだけで、AIエージェントがNILTOを操作しホームページが変わる、という未来も考えられます。また、あるニュース記事を投げたら生成AIが子供にも理解できるような言葉に変換してくれたり、不動産会社が新物件情報を生成AIに投げたら家賃等の計算が全てされた状態でCMSに反映されたり、といったこともできるようになると思います。これほどワクワクするような未来が、現実のものになろうとしています。

——AIの時代における、ウェブサイト制作やコンテンツ管理で、大事になってくることは何でしょうか

たにぐち: ウェブを見る人・作る人の双方にとってAIが不可欠になるこれからの時代、カギを握るのは「構造化されたデータ」だと考えています。

例えば、不動産の物件データなら、人間が閲覧しやすい表形式で管理するだけでなく、AIがデータを活用しやすいように、家賃や面積といった情報を提供する必要があります。このとき、ヘッドレスCMSを用い、情報をあらかじめ構造化して管理していれば、出力先やデータ形式に縛られることなく柔軟に展開できます。

このように今後のCMS選定では、いかにデータを構造化して保持できるか、というのは重要なポイントになると考えます。

インタビュー中の撮影画像4

——今後、NILTOにどのような進化を期待しますか

たにぐち: NILTO MCPにはコンテンツにまつわる全てができるようになってほしい、と思っています。前述にもありますが、生成AIを活用する際に管理画面上で何か操作をする、というのを今後は極力なくしていくのが重要です。
AIで問い合わせれば現在の設定が全て返ってくるとか、コンテンツの構造(スキーマ)も生成AIが作るとか、全てAIでできるようになったら、世界が変わる気がします。

「ヘッドレスCMSといえばNILTO」という存在になるのがゴールだと思いますが、個人的には、CMS界のAppleになってほしいなと思っています。
Appleを選ぶユーザーというのは、単にパソコンやスマホが使えればいいというのではなく、常にきれいなもの、使い心地が気持ちいいものを使いたい人たちだと思います。そういう人たちが選ぶCMSがNILTO、という存在になることを期待しています。

NILTOについてご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

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