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最終更新日:2026.8.17

オウンドメディアのフレームワーク7選|3C・SWOT・KPIツリーの埋め方を記入例つきで解説

オウンドメディアのフレームワーク7選|3C・SWOT・KPIツリーの埋め方を記入例つきで解説
3C分析やSWOT分析といったフレームワークの名前は知っていても、いざオウンドメディアの戦略資料を作る段になると手が止まる。あるいは、マス目を埋めたのに「で、結局何をするのか」が決まらない。そんな経験はないでしょうか。 この記事では、オウンドメディアの戦略設計に使うフレームワークを7つに絞り、それぞれの埋め方の手順と記入例を解説します。各フレームワークについて「埋め終わったら何が決まるのか」を先に示すので、埋めて終わりにならず、意思決定までつなげられます。戦略ドキュメントや提案資料を作る際に、記入例をそのまま下敷きとしてお使いいただけます。

目次

  1. 3C分析を埋める3つの手順
  2. 3C分析の記入例(架空のBtoB企業)
  3. 3C分析でよくある間違い
  4. SWOT分析の記入例(架空のBtoB企業)
  5. クロスSWOTで「強み×機会」から編集方針を導く
  6. STP分析の記入例(架空のBtoB企業)
  7. ポジショニング文のNG例とOK例
  8. カスタマージャーニーマップの記入例(架空のBtoB企業)
  9. AI検索時代のジャーニー補正:AI要約で完結する層を織り込む
  10. 埋めること自体を目的にしない
  11. 7つ全部を使おうとしない
  12. 成果物を作りっぱなしにしない
  13. Q1. オウンドメディアのフレームワークで最初に使うべきものは?
  14. Q2. 3C分析とSWOT分析の違いは?
  15. Q3. フレームワークは7つ全部使う必要がありますか?
  16. Q4. コンテンツマーケティングのフレームワークとは違うものですか?
  17. Q5. フレームワークのテンプレートはどう作ればいいですか?

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オウンドメディアの戦略設計にフレームワークが必要な理由とは?

フレームワークは分析のための道具ではなく、意思決定を速くするための道具です。オウンドメディアの戦略設計では、「どのテーマ領域で勝負するか」「どの読者に絞るか」「どの指標で成果を測るか」といった判断が連続します。フレームワークを使うと、この判断に必要な材料を抜け漏れなく揃えられます。

フレームワークが効く理由は3つあります。

  • 検討の抜け漏れを防げる:たとえば3C分析を使えば、自社の強みだけを見て競合の存在を見落とす、といった偏りを構造的に防げます
  • 社内合意の共通言語になる:経営層や他部門に説明するとき、「3Cで整理した結果、この領域を選んだ」と語れると、判断の根拠が伝わりやすくなります
  • 担当者の勘に頼らず判断を再現できる:フレームワークの成果物をドキュメントとして残せば、担当者が交代しても判断の経緯をたどれます

一方で、フレームワークには「埋めること自体が目的化しやすい」という落とし穴があります。マス目を埋めた達成感で終わり、何も決まらないまま次の作業に進んでしまうパターンです。

この落とし穴を避けるため、以降の記入例にはすべて「→決めたこと」の行を付けています。フレームワークを埋めたら、その結果から何を決めたかを1文で書き添える。この運用をセットにすることで、フレームワークは初めて意思決定の道具として機能します。

オウンドメディアで使う7つのフレームワーク一覧【目的・フェーズ対応表】

オウンドメディアの戦略設計で使うフレームワークは、3C分析・SWOT分析・STP分析・ペルソナ設計・カスタマージャーニーマップ・KPIツリー・トピッククラスターの7つです。コンテンツマーケティング全般では18種類を紹介する解説記事もありますが、数を増やすほど使い分けに迷います。オウンドメディアの意思決定に直結するものだけに絞ると、この7つに集約できます。

各フレームワークを「埋め終わると何が決まるか」の視点で整理すると、次の通りです。

フレームワーク

埋め終わると決まること

主に使うフェーズ

3C分析

勝てるテーマ領域と捨てる領域

起案

SWOT分析

参入判断と、投資の軸にする強み

起案

STP分析

メディアコンセプト(1文)

立ち上げ

ペルソナ設計

届ける相手の検索語彙と意思決定障壁

立ち上げ

カスタマージャーニーマップ

検討段階ごとに用意するコンテンツの種類

グロース

KPIツリー

毎月どの数字を見て何を改善するか

グロース

トピッククラスター

記事同士のつながりと執筆の優先順位

グロース

(補助)2W2H

稟議・社内共有用の1枚サマリー

起案〜立ち上げ

2W2Hは、上の7つを埋めた結果を経営層向けに1枚へ要約するための補助フレームワークです。誰に・何を・どう届けるか・どこまで投資するか(Who/What/How/How much)の4項目に絞って、稟議や社内共有の資料にまとめます。

なお、以降の記入例はすべて「人事労務SaaSを提供する架空のBtoB企業が、リード獲得型のオウンドメディアを立ち上げる」という想定で統一しています。登場する企業・数値はいずれも説明用の架空の例です。

どのフェーズでどのフレームワークを使うかの詳細なマップと、戦略立案の全体の流れは、以下の記事で整理しています。

2026-08-17T02:38:31Z

オウンドメディア戦略の立て方|6ステップとフェーズ別フレームワーク、AI時代の再定義まで

3C分析の埋め方|勝てるテーマ領域を見つける

3C分析を埋め終わると、「競合が薄く、自社の一次情報で厚みが出せるテーマ領域」=オウンドメディアで勝てる領域が決まります。Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3視点で材料を集め、重なりから勝ち筋を抽出するフレームワークです。

3C分析を埋める3つの手順

埋める順序は Customer → Competitor → Company が基本です。自社から書き始めると、「自社が書きたいこと」に引きずられて顧客視点が抜けやすくなります。

  • Customer:読者が実際に検索している言葉を集める。想定読者がどんなキーワードで、どんな悩みを検索しているかを書き出します。検索ボリュームの調査ツールや、営業・サポート部門への聞き取りが材料になります
  • Competitor:検索結果で戦う相手を調べる。狙うキーワードで実際に上位表示されているサイトを開き、記事の構成・情報の厚み・弱点を書き出します
  • Company:自社にしか出せない情報を棚卸しする。顧客データ、導入事例、サポートへの問い合わせ内容、社内の専門人材など、競合が持っていない一次情報を挙げます

3C分析の記入例(架空のBtoB企業)

人事労務SaaSを提供する架空のBtoB企業を想定した記入例です。

視点

記入内容(架空の例)

Customer(市場・顧客)

従業員100〜500名企業の人事労務担当者。「勤怠管理 法改正」「36協定 上限規制」など、法対応の実務語で検索している。制度改正のたびに検索が急増する

Competitor(競合)

検索上位は社労士事務所のコラムと競合SaaSのメディア。法律の条文解説は厚いが、「システムでどう運用するか」の実務例はどの記事も薄い

Company(自社)

導入企業から寄せられるサポート問い合わせのデータ、法改正対応の実装ノウハウ、社内に社労士資格を持つ社員が在籍

→決めたこと

「法改正×システム運用の実務」を主戦場にする。一般的な労務用語の解説記事は競合が厚いため書かない

このように、3つの視点を埋めた後に「→決めたこと」を1文で書き添えます。決めたことが書けない場合は、材料が足りていないサインです。

3C分析でよくある間違い

よくある間違いは2つです。

1つ目は、Companyの欄に「想い」や「願望」を書いてしまうことです。「顧客に寄り添う姿勢」「品質へのこだわり」といった記述は、記事のテーマ選定に使えません。Companyに書くべきは、データ・事例・人材といった検証可能な保有資産です。

2つ目は、Competitorを事業上の競合だけにしてしまうことです。オウンドメディアが検索結果で戦う相手は、競合他社のメディアとは限りません。士業事務所のコラム、業界紙、個人ブログなど、狙うキーワードの上位に実際にいるサイトすべてが競合です。事業競合だけを見ていると、検索面の本当の強敵を見落とします。

SWOT分析の埋め方|参入判断と投資の是非を決める

SWOT分析を埋め終わると、「オウンドメディアに投資すべきか」の参入判断と、「どの強みを軸に参入するか」の方向性が決まります。3C分析が現状把握の道具であるのに対し、SWOT分析は機会(Opportunity)と脅威(Threat)という時間軸の変化を織り込める点が特徴です。

SWOT分析の記入例(架空のBtoB企業)

内部要因(強み・弱み)と外部要因(機会・脅威)の4象限に整理します。人事労務SaaSを提供する架空のBtoB企業の例です。

プラス要因

マイナス要因

内部要因

S(強み):社労士資格者が社内に在籍し、専門家監修の記事を内製できる。サポート問い合わせデータという一次情報がある

W(弱み):専任の編集者が不在。記事制作の経験者が社内にいない

外部要因

O(機会):法改正が毎年あり、検索需要が定期的に発生する。AI検索の普及で、出典が明確な専門家の一次情報が引用されやすくなっている

T(脅威):生成AIによる記事量産で、一般的な解説記事の価値が下がっている。検索アルゴリズムの変動リスク

→決めたこと

参入する。ただし一般解説では戦わず、専門家監修×一次情報に投資を集中する

ポイントは、O(機会)とT(脅威)にAI検索の台頭のような構造変化を必ず入れることです。外部環境の欄が「市場の成長」のような一般論だけだと、参入判断の材料になりません。2026年時点でオウンドメディアを起案するなら、AI検索・生成AI量産の影響は機会と脅威の両面で検討が必要な変数です。

クロスSWOTで「強み×機会」から編集方針を導く

4象限を埋めただけでは、まだ何も決まっていません。象限同士を掛け合わせるクロスSWOTまで進めると、編集方針が導けます

最も重要な掛け合わせは「強み×機会」です。SWOT分析の記入例では、次のように導けます。

  • 強み「社労士資格者の在籍」×機会「出典が明確な専門情報がAIに引用されやすい」→ 編集方針:全記事に専門家監修を付け、監修者名と根拠法令を明記する
  • 弱み「編集経験者の不在」×脅威「生成AIによる量産競争」→ 補完方針:量で戦わず、月本数を絞って1本あたりの一次情報密度を上げる

「強み×機会」が編集方針の主軸、「弱み×脅威」が撤退・回避すべき戦い方を教えてくれます。

SWOT分析で参入判断を下した後の、起案から公開までの実装手順は、以下の記事で解説しています。

2026-08-17T07:26:24Z

オウンドメディアの立ち上げ方|起案から公開・半年運用までを実装ガイド

STP分析の埋め方|メディアコンセプトを1文に落とす

STP分析を埋め終わると、メディアコンセプトが1文で決まります。Segmentation(市場の細分化)→ Targeting(絞り込み)→ Positioning(立ち位置の言語化)の3段階で、「誰向けの、何のメディアか」を他社と切り分けられる形にするフレームワークです。

STP分析の記入例(架空のBtoB企業)

人事労務SaaSを提供する架空のBtoB企業の例です。セグメントの切り方→絞り込みの理由→ポジショニング文の順に埋めます。

段階

記入内容(架空の例)

S:セグメンテーション

読者候補を「企業規模(〜100名/100〜500名/500名〜)×関心テーマ(法改正対応/業務効率化/制度設計)」で9セグメントに分割

T:ターゲティング

「100〜500名×法改正対応」に絞る。理由:自社製品の主要顧客層と一致し、3C分析で競合記事が薄いと確認できた領域のため

P:ポジショニング

「法改正をシステム運用に落とし込む実務情報が、最も具体的なメディア」

→決めたこと

上記コンセプト文をメディアの判断基準にする。500名超の大企業向け制度設計の記事は書かない

Targetingの行には、絞り込んだ理由を必ず書き添えます。理由のない絞り込みは、社内から「なぜこの層だけなのか」と問われたときに崩れます。

ポジショニング文のNG例とOK例

ポジショニング文の品質は、「他社メディアにそのまま当てはまるかどうか」で判定できます。どの競合メディアが掲げても成立する文はNGです。

判定

ポジショニング文の例

理由

NG

「人事担当者に役立つ情報を届けるメディア」

どの競合にも当てはまる。テーマの取捨選択に使えない

NG

「労務の課題を解決する情報サイト」

「解決する」が抽象的で、書く記事と書かない記事を分けられない

OK

「法改正をシステム運用に落とし込む実務情報が、最も具体的なメディア」

「法改正×システム運用」で領域が特定され、「実務の具体性」という勝ち方まで含んでいる

OKの文には、戦う領域(どこで)と勝ち方(何で差をつけるか)の両方が入っています。この2要素が揃っているかを、書き上げたコンセプト文のチェックポイントにしてください。

ペルソナ設計の埋め方|検索語彙と意思決定障壁まで書く

ペルソナ設計を埋め終わると、記事のテーマ選定・使う言葉・CV導線の判断基準となる読者像が決まります。7つのフレームワークのなかでは、STP分析で絞り込んだターゲット層を「一人の具体的な人物像」に解像度を上げて言語化する位置づけです。

オウンドメディアのペルソナで実務上重要なのは、年齢や趣味といったプロフィール項目ではなく、その人が検索で使う語彙と、購買の意思決定を妨げる障壁です。前者が記事テーマに、後者が記事内の誘導設計に直結します。最低限埋める項目としては、業界・企業規模、役職と意思決定権限、業務課題、情報収集チャネル、使う検索キーワード、意思決定障壁の6項目が実務の目安になります。

6項目テンプレートの詳細な埋め方と記入例、BtoBで押さえる3視点(起案者・決裁者・利用者)、検索意図への変換手順は、以下の記事で詳しく整理しています。

2026-08-17T06:31:49Z

オウンドメディアのペルソナ設計|6項目テンプレートと記入例、検索意図への変換手順まで

カスタマージャーニーマップの埋め方|段階別にコンテンツを対応させる

カスタマージャーニーマップを埋め終わると、認知→比較検討→意思決定の各段階に、どんな記事とKPIを用意するかが決まります。読者の検討段階によって「知りたいこと」が変わるため、段階ごとにコンテンツの種類を対応させるフレームワークです。

カスタマージャーニーマップの記入例(架空のBtoB企業)

人事労務SaaSを提供する架空のBtoB企業の例です。段階×「読者の状態/知りたいこと/コンテンツタイプ/KPI」のマトリクスで埋めます。

段階

読者の状態

知りたいこと

コンテンツタイプ

主なKPI

認知

法改正への不安はあるが、システム導入は考えていない

法改正の内容と自社への影響

法改正の解説記事、対応チェックリスト記事

セッション数、AI検索経由の流入

比較検討

システムでの解決を検討し始めた

勤怠システムの選び方、比較の軸

選定ガイド、比較記事、導入事例

資料DL数、記事からの回遊数

意思決定

導入候補を絞り、社内を説得する段階

費用対効果の示し方、導入の手順

稟議資料テンプレート、導入手順の解説

問い合わせ数、無料トライアル登録数

→決めたこと

立ち上げ半年は認知段階の記事に集中し、比較検討段階は事例が3件揃ってから着手する

段階ごとにKPIが変わる点に注目してください。認知段階の記事に問い合わせ数を求めると「成果が出ていない」と誤診しますし、意思決定段階の記事をセッション数で評価しても意味がありません。記事とKPIを段階単位でセットにすることが、このフレームワークの実務上の価値です。

AI検索時代のジャーニー補正:AI要約で完結する層を織り込む

従来のジャーニーは「検索結果をクリックして記事を読む」ことが前提でした。現在は、AI Overview や ChatGPT などのAI回答で情報収集を済ませ、記事をクリックしない層が認知段階に存在します。

この変化は、ジャーニーマップに次の2点を補正として加えることで対応できます。

  • 認知段階の接点に「AIの回答内での言及・引用」を追加する。クリックされなくても、AI回答のなかでメディア名や情報が引用されれば、ブランド想起という形で認知が進みます
  • 認知段階のコンテンツは、AIに引用されやすい構造(結論の先出し、出典と数値の明記)で書く方針をマップに書き添えます

「クリックされない認知接点」を織り込んでおくと、認知段階の評価指標にセッション数だけでなく指名検索数の変化を加える、といった判断につながります。

KPIツリーの組み方|KGIから逆算して指標を分解する

KPIツリーを組み終わると、毎月どの数字を見て、どこを改善するかが決まります。7つのフレームワークのなかでは、運用フェーズに入ってから成果を測るための計器盤に相当する位置づけです。

構造は、メディアのKGI(最終目標)を頂点に、そこへ至る指標を因果関係で分解する階層ツリーです。分解の条件は、「下の指標が動けば上の指標が動く」と説明できること。実務では、事業KGI → メディアKGI → CV指標 → 流入指標 → 記事指標といった階層で組み、階層ごとに主に見る指標を絞ります。運用フェーズによって主要指標を切り替える運用(立ち上げ期は下層、成熟期は上層)も、ツリーを機能させる要点です。

事業KGIから記事レベルまでの5階層設計や、フェーズ別の指標切り替え、AI検索経由の流入枝の作り方は、以下の記事で詳しく整理しています。

2026-08-17T07:29:46Z

オウンドメディアのKPI設計|事業KGIから記事レベルまでの5階層とフェーズ別の切り替え方

トピッククラスターの設計方法|記事同士のつながりを決める

トピッククラスターを設計し終わると、どの記事から書くかの優先順位と、記事同士を内部リンクでどうつなぐかが決まります。7つのフレームワークのなかでは、個々の記事を場当たり的に増やす運用から、テーマの塊(クラスター)として設計する運用へ切り替えるための地図に相当します。

構造は、ピラー記事(テーマ全体の入口となる総論)、サブピラー記事(ピラー配下の主要論点を扱う中間ハブ)、クラスター記事(個別論点を深掘りする各論)の3階層です。テーマ内の記事群がリンクで結ばれていると、検索エンジンとAIの双方から「この領域に詳しいサイト」と評価されやすいとされています。埋めた結果として、執筆する記事の優先順位と内部リンクの張り方、そして「書かない領域」までが同時に決まります。

3階層設計の具体的な判断基準や、既存メディアを後からクラスター化する手順、ピラー記事の書き分け方は、以下の記事で詳しく整理しています。

2026-08-17T06:31:40Z

トピッククラスターとは|作り方5ステップと内部リンク設計を解説

フレームワークを使うときの注意点とは?

フレームワークの効果は、「埋めた後に何を決めるか」と「どれを使わないか」で決まります。使い方を誤ると、分厚いのに何も決まっていない戦略資料ができあがります。注意点を3つに絞って解説します。

埋めること自体を目的にしない

フレームワークで最も多い失敗は、マス目を埋めた時点で作業が完了したと錯覚することです。回避策はシンプルで、埋めた直後に「→決めたこと」を1文で書き添える運用をルール化することです。

この記事の記入例すべてに「→決めたこと」の行を付けているのは、この運用を形として示すためです。自社でシートを作るときも、最下行に「→決めたこと」を最初から入れておくと、埋めて終わりの状態を仕組みで防げます。逆に、埋め終えても決めたことが書けないフレームワークは、いまの自社には不要だったと判断できます。

7つ全部を使おうとしない

7つのフレームワークを一度にすべて埋める必要はありません。いまのフェーズで必要なのは2〜3個です。どのフェーズで何を使うかは、冒頭の一覧表の「主に使うフェーズ」の列を目安にしてください。

全部を同時に埋めようとすると、1つあたりの検討が浅くなるうえ、意思決定の前に力尽きます。フェーズに合わないフレームワークは「まだ使わない」と決めることも、立派な意思決定です。

成果物を作りっぱなしにしない

ペルソナシートやKPIツリーは、作った瞬間から古くなり始めます。市場環境・検索行動・自社の事業状況が変われば、前提が崩れるためです。成果物には作成日と次回見直し日を必ず入れ、レビューの予定をあらかじめ確保しておきます

また、成果物を個人のローカルファイルに置くと、更新が担当者任せになり陳腐化が加速します。戦略の成果物は、チームがアクセスできる共有の場所で管理します。さらに、コンテンツの運用基盤(CMS)やドキュメント基盤の近くに置くと、日々の記事制作から参照しやすくなります。

フレームワークの目的化を含め、オウンドメディアが陥りやすい失敗の類型は、以下の記事で診断チェックつきで整理しています。

2026-08-17T07:32:37Z

オウンドメディアの失敗例と診断チェック|7類型と立て直し手順、AI時代の新しい落とし穴

まとめ|フレームワークは「決めたこと」を書いて完成する

オウンドメディアの戦略設計で使うフレームワークは、3C分析・SWOT分析・STP分析・ペルソナ設計・カスタマージャーニーマップ・KPIツリー・トピッククラスターの7つに絞れます。それぞれ「埋め終わると決まること」が異なり、3C・SWOTは起案の判断に、STP・ペルソナはコンセプトの言語化に、残りの3つは運用の設計に使います。

どのフレームワークも、マス目を埋めた時点では未完成です。埋めた結果から「→決めたこと」を1文書き添えて、初めて意思決定の道具になります。この記事の記入例を下敷きに、自社の情報へ置き換えながら、決めたことまでセットで書き上げてみてください。

7つをすべて使う必要はありません。いまのフェーズに必要な2〜3個を深く使い、成果物には見直し日を入れて更新し続けることが、フレームワークを機能させる条件です。

なお、フレームワークに取り組む前に、オウンドメディアそのものの定義や役割から押さえ直したい場合は、以下の記事が出発点になります。

2026-07-27T02:57:10Z

オウンドメディアとは|定義から失敗パターン、立ち上げの全体像までを一気に理解する

よくある質問

Q1. オウンドメディアのフレームワークで最初に使うべきものは?

A. 状況によって変わります。これから立ち上げを検討する段階なら3C分析が最初です。勝てるテーマ領域の見極めが、他のすべての判断の前提になるためです。すでに運用中で伸び悩んでいる場合は、KPIツリーとカスタマージャーニーマップから着手し、「どの指標が止まっているか」「どの検討段階のコンテンツが欠けているか」を特定するのが近道です。

Q2. 3C分析とSWOT分析の違いは?

A. 3C分析は市場・競合・自社の「現状把握」で、勝てるテーマ領域を見つけるための道具です。SWOT分析は機会・脅威という「時間軸の変化」を含み、参入や投資の是非を判断するための道具です。実務では、3C分析で集めた材料をSWOT分析の4象限に振り分ける流れで、3C→SWOTの順に使うと二度手間になりません。

Q3. フレームワークは7つ全部使う必要がありますか?

A. 必要ありません。全部を同時に埋めると1つあたりの検討が浅くなり、埋める作業に力を使い切って意思決定の前に止まってしまいます。いまのフェーズに合う2〜3個だけを深く使うのが実務的です。絞り方は、「埋め終わったときに決めたいこと」からの逆算が有効です。参入判断を決めたいなら3C・SWOT、メディアコンセプトを決めたいならSTP・ペルソナ、という選び方になります。

Q4. コンテンツマーケティングのフレームワークとは違うものですか?

A. 大部分は共通です。3C・SWOT・STP・ペルソナ・カスタマージャーニー・KPIツリーは、コンテンツマーケティング全般で使われるフレームワークで、オウンドメディアはその主要な実践の場にあたります。違いが出るのは適用の仕方で、オウンドメディアでは競合を「検索結果上の相手」として捉える、KPIを記事単位まで分解するなど、検索接点を前提とした埋め方になります。

Q5. フレームワークのテンプレートはどう作ればいいですか?

A. 各フレームワークの記入例の表を、スプレッドシートやドキュメントにそのまま写す形で十分です。作成時のポイントは3つあります。①最下行に「→決めたこと」を最初から入れておく、②作成日と次回見直し日の欄を付ける、③チームがアクセスできる共有の場所に置く。凝ったフォーマットを作り込むより、決めたことを書く運用を定着させるほうが効果があります。

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